『水月』がまさか依代の物語だとは知らなかったので、那波ルートを終えたときの充実感はひとしおであった。本作を名作たらしめているのは、作中に撒いた民俗の情報をかき集めるだけでなく、それらの根幹にあったひととひととの関わりの歴史に注視し、語り尽…
洞窟に入ったときの「ひた、ひた」という擬音は、間違いなく折口信夫の『死者の書』の冒頭を意識したものであろう。その時点でこちらもそれなりに身構えるもので、続く洞窟や“籠もり”の表象、海洋信仰の提示といった仕掛けの数々を受けて、やっぱりな、とい…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。