ワザリング・ハイツ -annex-

どんなに忙しい毎日でも、紅茶を飲んで、ほっとひと息。

雑記(Essay)

精神病理学の読書案内

“自己診断”を目的とした精神病理学についての文献精査をはじめたのが三、四年ほど前のことである。もちろん、心の病をもつひとにとって自己診断はご法度であり、私は全力でその地雷を踏み抜いているわけだが、仕組みや傾向を体系的に理解するというのはなか…

ノベルゲームの精神病理を読む

これまでプレイしてきたノベルゲームより、特に不連続な自己の問題に着眼した秀作を選定、紹介してみたい。読者の需要も影響してか、ノベルゲームでは自己の問題を深く堀りさげた物語が多く、自己と環境との軋轢が積極的に主題化されてきた。今回はサイトで…

恣意的アニメ概論 後夜

深刻な社会問題をアニメ化するなど不謹慎極まりない、と言う大人には、それでは若者が主体的に社会問題を考えたくなるような策を別に提示してみろ、と言っておく。語る価値のない作品もかなり多い表現領域だが、それなりに意義をもった、議論されるべき物語…

恣意的アニメ概論 前夜

昨年度に仕事で行った講義でアニメについてとりあげる機会があり、いくつかの窓を用意するような形で、連関しないトピックを並べて話をした。日本の文化的特徴を映したポストモダン的主題、として以下の話を総括することもできるが、私が恣意的に気になる話…

2016年の読書をふり返る

精神病理学の文献精査から、今年は本格的に哲学の文献に傾倒した感があり、物語の量が少ない。それ自体は自分にとって必要な手続きだったので特に感慨はないものの、やはり全体的には読む量が減ってしまったのが残念。書き込みは必須、再読も必須となれば、…

2015年の読書をふり返る

一度どうしてもこれをやってみたかった。友人と酒を飲みながら互いの書籍リストなぞ見せあいつつああだこうだ言うようなそんな体で進めてゆく。実際リアルでやってもいいのだけれど、これを書いてからでも遅くはあるまい。 <リスト> Emily Dickinson Selec…

博士後期課程まで行った文学好きが勧める本の読み方 後夜

前夜から微妙にタイトルが変わっていますがそこはご愛嬌。読む本の探し方なんてものは本当はなく、手にとって読みたいと思ったら、それはもう読む本を見つけたということ。そのくり返しが習慣化したあたりで読むのがこの記事。誰もおまえに頼んでねえと言わ…

博士後期課程まで行った文学好きが勧める本の選び方 前夜(初級編)

記事の更新を意気込んではじめたはいいものの、日本語と英語で作品の読みを展開するだけでは身がもたないことを早くも痛感し、雑文も書くことを決定。更新頻度をあげる狙いもあるが、英語に“翻訳”することの手間とつまらなさに気づいてしまった。もともと翻…

Chihiro Iwasaki / Love Letter

“Adults are to grow up to be one who spontaneously loves others in spite of many difficulties they face.” This passage is the famous words Chihiro Iwasaki left us. We can read it as an essay in this book.Reading this essay hung on the wall…

いわさきちひろ『ラブレター』

「大人というものはどんなに苦労が多くても、自分のほうから人を愛していける人間になることなんだと思います。」いわさきちひろが残した有名な言葉である。本書の中では「大人になること」というエッセイとして収録されている。長野県安曇野にある「いわさ…