ワザリング・ハイツ -annex-

どんなに忙しい毎日でも、紅茶を飲んで、ほっとひと息。

クリスティーナ・ロセッティ 『クリスティーナ・ロセッティ詩集』


仕事先の塾で覗いた中学の英語の教科書にクリスティーナ・ロセッティの詩が載っていた時には驚いた。私たちの時にはアメリカの詩人エミリー・ディキンソンが載っていたけれど、まさかロセッティが載っているとは。その理由には、彼女が子供向けの詩を多く書き残したことも関係しているかもしれない。谷川俊太郎の、あのひらがなばかりの、あるいは語感で遊んでいる詩を思いだしてもらえばよい。

そういった彼女の詩が収められているのはSing-Song: A Nusery Rhyme Bookという名の詩集である。日本語で“Nusery Rhyme”は「伝承童謡」と言うらしい。いくつかここに引用してみようと思う。敢えて英語で引用するので、あまり深くは考えずに、ぜひ声に出して読んでみて欲しい。


1 and 1 are 2—
That’s for me and you.

2 and 2 are 4—
That’s a couple more.

3 and 3 are 6
Barley-sugar sticks.


それから。


Seldom “can’t,”
Seldom “don’t;”
Never “shan’t,”
Never “wan’t.”


などなど。次のものは秀逸。


“Ding a ding,”
The sweet bells sing,
And say:
“Come, all be gay”
For a wedding day.


〝タンタンタンタン〟というリズムが文字通り鐘の鳴るリズムになっていて、音と意味とが重なった、詩特有の素晴らしい表現だ。難解な詩になるほど、深く考えようとする際に、こういった基本的な効果を見落としてしまいがちであるが、ワーズワースやテニソン、その他偉大な詩人たちは皆、音の効果と意味のそれとを計算していることが多い。日本の詩も同様である。詩があまり得意でないというひとは、こんなところからアプローチしてみてはいかがだろうか。