ワザリング・ハイツ -annex-

どんなに忙しい毎日でも、紅茶を飲んで、ほっとひと息。

2015年の読書をふり返る

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一度どうしてもこれをやってみたかった。友人と酒を飲みながら互いの書籍リストなぞ見せあいつつああだこうだ言うようなそんな体で進めてゆく。実際リアルでやってもいいのだけれど、これを書いてからでも遅くはあるまい。

 

<リスト>

Emily Dickinson Selected Poems (Oxford Student Texts)

つめたいオゾン(唐辺葉介

沙耶の唄虚淵玄

ドッペルゲンガーの恋人(唐辺葉介

リゾーム(『千のプラトードゥルーズ+ガタリ

遠まわりする雛米澤穂信

レストー夫人(三島芳治)

神の裁きと訣別するために(アントナン・アルトー

The Locked Room (Paul Auster)

Asylum Piece (Anna Kavan; 再読)

精神の大試練(アンリ・ミショー)

氷(アンナ・カヴァン

半分の月がのぼる空(1~4巻・橋本紡

ふたりの距離の概算米澤穂信

フラジャイル(松岡正剛

日本語とはどういう言語か(三浦つとむ

共通感覚論(中村雄二郎)

青色本(L・ウィトゲンシュタイン

時間と自己(木村敏

夏空のペルセウスminori

分裂病と他者(木村敏

ソレヨリノ前奏詩(minori

自覚の精神病理(木村敏

自分ということ(木村敏

フレラバ(SMEE)

秋期限定栗きんとん事件(上下・米澤穂信

LOVESICK PUPPIES(COSMIC CUTE

精神としての身体(市川浩

「伝える」ことと「伝わる」こと(中井久夫

自己・あいだ・時間(木村敏

天色アイルノーツ(ゆずソフト

身の構造(市川浩

向日葵の教会と長い夏休み(枕)

偶然性の精神病理(木村敏

サノバウィッチ(ゆずソフト

スウィート(青山景)

分裂病の精神病理(木村敏

自覚の精神病理(木村敏;再読)

半分の月がのぼる空橋本紡;再読)

時間と自己(木村敏;再読)

12の月のイヴ(minori

何処へ行くの、あの日(呉一郎)

世界ノ全テ(霊岳)

日本近代文学の起源柄谷行人

文章読本三島由紀夫

西田幾多郎の思想(小坂国継)

武蔵野(国木田独歩

春琴抄(谷崎潤一郎

刺青・秘密(谷崎潤一郎

蘆刈谷崎潤一郎

ゴールドラッシュ(柳美里;再読)

ぼくのたいせつなもの月面基地前

 

ここに、学術論文や途中でやめた本、あるいは本などのまとまった体裁をとらない雑文などが加わる。2015年度はわりといろいろ読めたほうだと思う。一番の収穫は木村敏に出逢えたことだろう。そのうちきちんと一本記事を書こうと思う。

2014年からひき続き精神病理が大きな主題として自分のなかに掲げられていたこともあり、一年を通じていたるところにその一端を担うものが散見できる。そのなかで特に挙げるとするならば、『つめたいオゾン』、『沙耶の唄』、『精神の大試練』、『共通感覚論』、『時間と自己』、『ソレヨリノ前奏詩』(これははるかルートのみ)、『精神としての身体』、『ぼくのたいせつなもの』あたりだろうか。

それにしても物語作品が半分を占めているのはなんだかうれしい。『ソレヨリノ』を除いて物語作品はどれもまったく救いがなく後味は最悪。つまりは最高ということ。死にたくなるようなものでなければ読む価値がないと言ったのはカフカで、絶望したときに書くと言ったのはサガンだが、私もそういう人間である。軽い感じで手を出した『サノバウィッチ』や『向日葵の教会と長い夏休み』や『スウィート』なんかも、結果的には精神病理の主題に絡んできたのが面白かった。私たちは自分にとって切実な問題が含まれた作品を無意識のうちにひき寄せてしまうものである。いつも思うのだけれど、これこそ読書の妙味なのであろう。本当に不思議。

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ダークホースみたいなことで言えば『レストー夫人』あたりだろうか。この漫画、かなり奇天烈なのでマッドなファンがついていそうだが、提出されている主題が突っこみどころ満載で本サイトの記事向き。クラスメイトに代わりにしゃべってもらっていたらだんだん自分とそのひとの区別がつかなくなってくる、とか。これ以上は言うまい。いつかゆっくりとり挙げたい作品でもある。

年末にかけては日本近代文学に偏る。これは意図的。実はこれまで、このあたりを論じられるほど真剣に近代日本文学を読んできておらず、おじさんになってようやく味がわかりはじめてきたので、ウイスキーのようにちびちびとなめている最中である。『近代日本文学の起源』の「風景の発見」とかぞくぞくする。三島の『文章読本』もかなりよかった。ぜひ併せてどうぞ。

あまり突っこまないのは自分へのネタふりなのだけれど、いつも小さな頭と少ない素材からひっぱりだしてきているので、いざというとき書くものを残しておくという意味もあります。ごめんなさい。

 

●付記

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記事としては今年の4月に書いたものなのでいろいろと古くかなり手を入れた。2016年のリストについては年が明けてからなるべく間を空けず投稿する予定。垂れ流したような記事で申しわけないが、読んでみたい作品がもしひとつでも見つかったのならば幸い。