ワザリング・ハイツ -annex-

どんなに忙しい毎日でも、紅茶を飲んで、ほっとひと息。

2016年の読書をふり返る

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精神病理学の文献精査から、今年は本格的に哲学の文献に傾倒した感があり、物語の量が少ない。それ自体は自分にとって必要な手続きだったので特に感慨はないものの、やはり全体的には読む量が減ってしまったのが残念。書き込みは必須、再読も必須となれば、これはやむを得ないのだけれど。

とにかくまずはリスト掲載からいきましょう。

 

<リスト>

死体泥棒(唐辺葉介

あいだ(木村敏

あいだと生命(木村敏

からだ・こころ・生命(木村敏

ゲーム的リアリズムの誕生東浩紀

なついろレシピ(PULLTOP

ノ・ゾ・キ・ア・ナ(1〜13巻:本名ワコウ

レヴィナスと愛の現象学内田樹

異常の構造(木村敏

CARNIVAL(瀬戸口廉也:再読)

罪ノ光ランデヴー(minori

PSYCHE(唐辺葉介

エルフェンリート岡本倫

心と他者(野矢茂樹

明日の君と逢うために(Purple)

自己・あいだ・時間(木村敏:再読)

CARNIVAL(小説版:瀬戸口廉也

Crescendo(水無神知宏)

心の病理を考える(木村敏

「伝える」ことと「伝わる」こと(中井久夫:再読)

海がきこえる氷室冴子

娚の一生西炯子

天才柳沢教授の癒しセラピー(川嵜克哲・山下和美

ウツボラ中村明日美子

眠れる美女川端康成

伊豆の踊子川端康成

Narcissu — SIDE 2nd(片岡とも

天使のいない12月Leaf

雪国(川端康成

象が踏んでも(堀江敏幸

パルフェ丸戸史明

LOVESICK PUPPIES(COSMIC CUTE:再読)

精神としての身体(市川浩:再読)

身の構造(市川浩:再読)

フォセット(丸戸史明

関係としての自己(木村敏

遥かに仰ぎ、麗しのPULLTOP

紙の上の魔法使い(ルクル)

西田幾多郎の思想(小坂国継:再読)

ゲシュタルトクライス(V・v・ヴァイツゼッカー

分裂病の詩と真実(木村敏

キラ☆キラ(瀬戸口廉也

臨床の知とは何か(中村雄二郎)

夏の色のノスタルジア(呉一郎)

批評理論入門(廣野由美子)

運命予報をおしらせします(ルクル)

レイライン――黄昏時の境界線(ユニゾンシフト

レイライン――残影の夜が明ける時(ユニゾンシフト

日本近代文学の起源柄谷行人:再読)

探求Ⅰ(柄谷行人

死に至る病キルケゴール

美しさと哀しみと(川端康成

心の病理を考える(木村敏:再読)

見上げてごらん、夜空の星を(PULLTOP

最終試験くじら(CIRCUS)

 

今年はここに教育関係の文献がごっそりと加わるので実際の読書量は昨年と同じくらいかもしれない。ノベルゲームについては下半期の総括記事にまとめたのでそちらにゆずる。

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精神病理の文献についてはいままで通り木村敏を中心に読み進め、友人からすすめられた中井久夫や、川嵜克哲の本などが理解を豊かにしてくれた。精神病理の問題は今後も自分にとって最も大事な問題であり続けるだろう。さらに今年は、レヴィナス現象学キルケゴール野矢茂樹ウィトゲンシュタイン、読みさしではあるが大森荘蔵といった哲学者の観点、そして西田幾多郎の哲学に至るまで、かなり多様な視点をとり入れた一年だったように思う。最も重要だった出逢いは間違いなくヴァイツゼッカーである。彼の哲学を日本に輸入してくれた木村敏の仕事ぶりには頭が上がらない。

漫画については『エルフェンリート』と『ウツボラ』との出逢いは非常に大きかった。こちらも自己存立に関わる様々な問題について広い視点を与えてくれた作品群であると言える。

sengchang.hatenadiary.com

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そして今年出逢った文学では川端康成が飛び抜けている。正確には再発見と言うべきか。川端と言えば、日本の伝統文化を映した物語の魅力により海外でも高い評価を得ているが、私はあえて彼の描写の重要性を推したい。このあたりについてはひとつ記事を書いてあるのでここではこのくらいにとどめておく。ほかの小説を挙げるならば、瀬戸口廉也唐辺葉介)の『CARNIVAL』(小説版)や『死体泥棒』はすばらしかった。特に後者はとてもおすすめなのだがどうやらいまは値段が高騰してしまっているらしい。物語については、今年はノベルゲームが圧倒的だったので、そちらのまとめ記事をぜひ参照していただきたい。

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●付記

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文学がほとんどないのは、読んでいないというわけではなく、部分的に読みつつ整理していた、と方便のように断っておきたい。昨年三月に研究生活から抜けだして以来、もう一度文学を読みはじめるには――書くほうに影響はなかったが、読むほうについては――心と思考の環境づくりがどうしても必要だった。今年からは少しずつ文学の記事も増やしてゆくつもりである。英訳の記事も合わせると、実は本サイトには100本以上の文学の記事が転がっているので、興味のあるひとはカテゴリーからのぞいてみてほしい。

⇒文学(Literature) カテゴリーの記事一覧 - ワザリング・ハイツ -annex-

おりにふれてひと月に一回おすすめの本についての短い紹介記事なども書き残そうかと画策中。今年はどんな本と出逢えるのか。いまからとても楽しみである。

⇒2015年の読書をふり返る - ワザリング・ハイツ -annex-